「ミジメな老後」を送らないためのポイント



退職金の幻想

 

 

定年退職となって収入が減少しているのですから、その収入に見合った生活をしなければ、家計はたちまち破綻してしまいます。「退職金がある」というだけで、まるでセーフティネットが存在するかのような幻想を抱いてしまうのかもしれません。

 

確かに退職金というまとまったお金があれば、破綻の危機がある程度は先送りされるでしょう。そこが落とし穴であり、本来なら早急に家計の見直しが必要なのに、破綻しているという自覚がないので、結局どんどん後回しになっていきます。

 

そして、とうとう取り返しがつかないような金額にまで減ってしまうことがあるのです。まさに退職金の幻想です。

 

定年後、無意識に暮らし、65歳で年金生活になるということで、いざ通帳を見てみたら、退職金は半分以下になっていた、というのでは大変です。これでは「みじめな老後」へまっしぐらかもしれません。

 

また、退職金を「ご褒美」だと思ってしまうような人はもっと危険です。リタイア後は、公的年金だけでは当然不足がちですから、多くの人が貯蓄の取り崩しをしたりします。一般の会社員にとって退職金は、その取り崩し用としての重要な資金です。これを人生のご褒美として使ってしまったのでは大変です。

 

老後約20年間の取り崩し金額のことを考えたら、冷静に考えれば、一度にパーっと使ってしまうお金になんでとてもできないのです。